STORY
制作物語
「子犬のポルボロン」誕生!
あの……。シェフ、質問があるんですが……
なんだい?
「ポルボロン」ってお菓子、私すっごく好きなんですけど、あれはどうして口の中でほろほろって崩れるんですか? 一般的なクッキーとなにが違うんでしょうか?
やれやれ、お菓子の企画してるのに、勉強不足だなー。
すみません💦 シェフ、教えてください。お願いします!
そうだね。「ポルボロン」はスペインの修道院で生まれたクッキーと言われていて口の中でほろほろっと崩れるのが特徴なんだ。小麦粉にグルテンと言う成分が含まれていて、これが粘りの素になるのは知っているよね。
『グルテン』はい!分かります。小麦粉に水分を加えて捏ねれば捏ねるほど、グルテンの力が強く働き、生地に粘りがでてくるんですよね。
そうだね。このグルテンの含まれている量が少ないものがクッキーなどを作るのに適した【薄力粉】、次にグルテンが多く含まれている【中力粉】は適度に粘りが必要とされるうどん等に使われるんだ。最もグルテンが多い【強力粉】はパン作りに適しているんだよ。
同じ小麦粉でもグルテンの含まれている量で、使い分けるんですね。確かにうどんやパンはものすごく生地を捏ねている印象があります。
ポルボロンはその『グルテン』が力を発揮しないように、あらかじめ小麦粉を加熱しておくんだ。少し手間がかかる作業だけど、加熱することによってグルテンの力が弱まって、食べた時にほろほろと崩れやすくなるんだよ。
小麦粉を加熱してから使うんですね!知らなかったです。勉強になりました!ありがとうございます!
だから普通のクッキーより手間がかかるし、生地もほろほろでまとまりにくいから結構ポルボロンって作るのが――
(あれ、もう居ない……)
― 数日後 ―
企画部女子たちが集まっていた
シェフ、お願いがあります!
すごく嫌な予感がするんだけど……
皆で相談したんですけど、ポルボロンを子犬型で作ってください!
えっ!!子犬型のポルボロンなんて聞いたことがないよ💦
だ か ら 見たいんです!お願いします!!
お願いしますっ♡
前にも言ったけどポルボロンの生地って、ほろほろでまとまりにくいんだよ?それをのばして、型で抜くなんて……。第一、子犬の型もないし……
大丈夫です!型を作ってもらえるところは、すでにあたりをつけていますのでご安心ください♪
いやいや、そういう問題じゃなくて――
『ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン』って、ポルボロンが口の中で溶けて消える前に3回唱えると幸せになるらしいよ!
わぁ♡それってステキ!《子犬が幸せを運んでくる》みたいな感じ?めっちゃ可愛いじゃないですか♡
だから、美味しい生地なんだけどまとまらない生地だから作るのはなかなか――
(……聞いてないよねぇー)
わぁい!!楽しみにしてますね♡
大量生産はできないからね……
(この子たち、全然聞いてないな……)
こうして、子犬のポルボロンは生まれた。
その誕生は 結構、難産であったそうだ。
※加熱によりグルテンの粘りの性質を抑えますが、グルテンフリーになるわけではありません。
特定原材料に「小麦」が含まれます。
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